従軍慰安婦問題を考える特集を12、13面に掲載しました。 朝鮮人女性を強制連行したと告白した故吉田清治氏の証言はこの問題の論点の一つです。 北海道新聞は過去に吉田氏の証言に関する記事を掲載していますが、調べた結果、その証言内容は信憑性が薄いと判断しました。 検証が遅れ、記事をそのままにしてきたことを読者の皆さまにおわびし、記事を取り消します。
本紙「吉田証言」でおわび 内容の信憑性薄いと判断
北海道新聞は従軍慰安婦問題をめぐり、朝鮮人女性を従軍慰安婦として強制連行したという故吉田清治氏の証言に関する記事を1991年11月から93年9月までに8回掲載した。 その後は取り上げていない。(略)
北海道新聞は、過去の報道経緯を当時の記者などから聴いたり、吉田氏が著書で慰安婦狩りをしたと書いた済州島の古老や郷土史家、ソウルの研究者などを訪ねたりして、証言の内容を検証した。
その結果、著書と記事の内容を裏付ける証言や文書は得られなかった。 吉田氏本人は死亡しているが、日本の研究者の間でも証言は学術資料たりえないとの見方が強く、信憑性は薄いと判断した。(略)
「吉田証言」記事 取り消します
吉田氏の証言に対しては90年代初めまでに疑義が出ていました。 生前の吉田氏に再取材しておけば、早い段階での事実確認が可能だったかもしれません。 報道機関には記事内容に疑問があれば自ら検証し、読者に説明する責務があります。 北海道新聞がそれを怠り、裏付けの乏しい記事をそのままにしてきたことを、読者の皆さまにおわびし、「吉田証言」記事を取り消します。
また、北海道新聞のこれまでの記事を蓄積しているデータベースの当該記事には、吉田氏証言の信憑性が薄いと判断し、取り消した旨を付記します。(略)